『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』について

 「国語の勉強はむずかしい。とくに文章読解力を身につけるのは、学校でも具体的に教えてくれるわけではないし、書店で問題集を買って来て勉強しても、塾で先生に質問しても、正解や、その見つけ方を教えてくれるだけで、読解力が上がるとは思えない。」こんな声を、よく聞きます。

 実際、言問学舎に通う子どもたちの様子を見たり、保護者のみなさまからお話を伺ったりしていても、「子どもたちの国語力」が心配になることは多くありますが、読解力の向上が期待できる環境や取り組みを聞くことは、めったにありません。

 そもそも、「読解力」を身につけるということは、文章を正しく読んで、手がかりを見出した上で自分の考えを表現し、それを検証、攪拌(かくはん)して磨き上げることによってはぐくまれるものですが、残念ながら現在の多くの国語の勉強の現場では、効率よく(速く)正解を見つけることが優先されていて、「文章をしっかり読み、考えて、書く」という指導がなされておりません。従って、「国語力をつけるには本をたくさん読むしかないのか」という保護者の方々の疑問の声が、永遠のテーマのようにさまよっているのです。

 本来、小学校の中学年・高学年となれば、文章を読んで関心や疑問を持ち、それを文章に表現するということが、できるようになるはずです。むしろ子どもたちの内面には、そうしたことへの欲求も強くあるはずです(言問学舎で国語を学ぶ子どもたちは、積極的にそんな姿を見せてくれます)。ただそうした学習機会がないまま中学生・高校生になっていかざるを得ないので、先述したような根本的な思考力、国語力を身につけることのできない子が多くなっているのでしょう。これはここ5年、10年に限ったことではありません。

 このほど言問学舎では、「文章を正しく読んで、手がかりを見出した上で自分の考えを表現し、それを検証、攪拌して磨き上げる」ためのテキスト『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』を刊行致しました(言問学舎発行・発売)。平成15年6月の創業以来、16年の長きにわたってご好評いただいている言問学舎オリジナルの国語指導「音読と読解、表現の講座」のエッセンスを1冊に凝縮した、類書のない根源的な国語のテキストです。

 「文章を正しく読む」ことに関しては、収録されている全7篇の物語を自ら執筆した言問学舎舎主・小田原漂情の音読が、付属DVDとなっています。DVDを視聴して、お子さんが自分でも音読することで、文章がことばとともに有している「音韻」の力を、実感することができるでしょう。

 「手がかり」については、言問学舎の16年の歩みの中で磨きぬいたオリジナルの「読解シート」がセットされており、お子さんたちが自分の考えを、無理なく書き出していける工夫が盛り込まれています。そして、やはり長年の蓄積が生み出した、子どもたちの手による「読解シート記述例・文例集」が、読者のお子さんたちが自分の考えを検証して練り上げる大きな助けとなるでしょう。

 また、今回の発売を記念して、本年(2019年)6月30日までの原稿到着を期限として(郵送の場合は当日消印有効)、お子さんたちが書いた感想文を小田原漂情が無料添削するサービスも、実施します(お一人当たり2篇まで)。

 『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』は、現在好評発売中です。4月18日現在、言問学舎で直接の販売のほか、メールお申し込み/代金銀行振り込みの形で、通信販売を開始したところです。書店での注文やAmazon等での販売も計画しておりますが、少々時間を要しますので、当面はお問い合わせフォームより「通信販売希望」として、メールでお申し込み、またはお問い合わせをお願いします。
 
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