高校入試における<内申点の重要性>についてお話しします

 「内申点の重要性」というテーマは、言問学舎としては折りに触れて発信しているテーマです。この「国語力.com」上の『言問だより』でも、新規発進のご挨拶をかねて、ご覧下さるみなさま、特に高校受験を控えた保護者と受験生の方々のお役に立つよう、お話しさせていただきたいと思います。

 現中学3年生の保護者の方ばかりでなく、現2年生、1年生、あるいは公立中学進学を念頭に置いておられる小学校高学年のお子さんたちの保護者におかれましても、ぜひ一度お目通し下さい。なお恐縮ですが、東京都立高校を対象として書いておりますので、他の道府県の方がお読み下さる場合、各道府県立高校の内申点の配分等、各地域の実情にあわせてお読み替え下さいますよう、お願い申し上げます。

 現在、東京都内に住む中学生の高校受験に関して言うと、その大半の部分で、中学校から出される調査書点、いわゆる内申点が大きく関わって来ます。文京区周辺では、おおむね中3の二学期の数値です。対象別に、順を追ってご説明します。
 

1.私立高校のうち、難関大学の附属高などのケース

 「9科合計38、かつ5科合計22」や「9科合計40」などの内申があれば、推薦入試に「出願可能」となります(合・否は試験の結果次第です。また数値は各校の受験年度用の募集要項でご確認下さい)。

2.多くの私立高のケース

 9科36、5科20などの内申があれば、単願推薦で基準をクリアします。
         〃          併願優遇の相談が可となります。 

※以上1.2.の私立高の基準は、それぞれの学校ごとに決められているものです。「基準クリア」「相談可」とは、きちんと勉強して受験すればほぼ大丈夫だろう、というラインです。
 

3.都立高(主として全日制普通科)

 内申点(300点または400点に換算)と、入試の当日点(700点または600点に換算)を合計した1000点満点で、高得点者から合格決定。
    

例)内申素点40を持つ受験生の例で言うと、300点換算でだいたい264点になります(5科/4科の配分で変わる場合もあります)。

「声の教育社」刊の「平成25年入試用東京都受験案内」では、小山台高校は1000点満点の810点、三田高校は780点となっていますので、単純にそれぞれの点数から264を引いてみると、小山台高校で546点、三田高校では516点となります。

これは700点換算の数字ですから、実際の当日点では小山台で390点ぐらい、三田で368~370点ぐらいが、いわゆる「合格の目安」となります。

いざ出願、というときには、模試の判定や過去問の点数などから「本番で何点ぐらい取れそうか」ということを予測し、合格の可能性を割り出した上で、受験校を決めることになるわけです。

また、この例ではあらかじめ内申素点を「40」持っているという想定で計算しましたが、実際には多くの受験生のみなさんは、これから成績を上げ、内申点を確保して行くことになるでしょう。受験本番を迎える段階で、どれだけの内申点があるか、それ次第で、「どこの高校を受験できるか」という方向性が、かなり決められてしまうわけです。


 現3年生のみなさんも、2学期の中間・期末で頑張って結果を出せば、必ず成績は上がります。勝負はこの夏休みです。2年生は「まだ先のこと」と考えずに、中学3年間の学習の折り返し点であるこの夏休みに、今までの復習を、きちんとして下さい。1年生も、「先のこと」でないのは同じです。1年生にとっての「すぐ先」は2学期で、ここから勉強がどんどん難しくなり、わからないことが増えて行きます。そうなってから「しまった」と思わないように、1学期に習った内容は、完璧にしておきましょう。

 各学年それぞれに、みなさんが充実した夏休みを送られるよう、応援します。

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