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古文の盲点!文語文法の基礎の基礎を復習しましょう
古文は、それを習う人たちが高校生になった時点ではもう相当になじんでいる国語=日本語の、平たく言って百数十年前までの形です。だから意外に教えてもらえない、「習う人はわからないけれど知っている人には当たり前すぎる」ことが、けっこうあります。
今日はその中でも初歩の中の初歩、高校1年生はもちろん、2年生、3年生でも意外とあやふやで、また「今さら聞けない」範疇になってしまっている一番の基本について、お話ししましょう。
それは、「〈終止形〉の違い」です。説明の前に、図示します。四段=五段活用および口語では五段に含まれる文語のナ変(死ぬ、往ぬ・・・後者は一応)および下一段(蹴る)については、終止形の話ですからここでは省きます。
口語の上一段 「見る」 → 「見る」 文語の上一段
「率いる」 → 「率ゐる」 文語の上一段 ※上一段は、終止形は同形
口語の上一段 「起きる」 → 「起く」 文語の上二段 「きる」が「く」に
口語の下一段 「懸ける」 → 「懸く」 文語の下二段 「ける」が「く」に
口語のサ変 「する」 → 「す」 文語のサ変 「する」が「す」に
口語のカ変 「来る」 → 「来(く)」 文語のカ変 「くる」が「く」に
ここに示した通り、終止形の母音が「iu」→「u」、「eu」→「u」、またサ変、カ変では「uu」→「u」となることが、口語と文語の大きな違いなのです。
このことは、文法書などでも、ほとんど説明されていません。なぜかと言えば、実はローマ字で変化を示した部分の矢印は、ほんとうは順序が反対で、「来(く)」が「来る」のように変化してきたのが、文語から口語への変化だからです。
でも現代の、特にはじめて古文(文語文法)を習う高校生のみなさんは、先に示したように、「口語」から「文語」を、勉強しますね。ですから、ここで示したことがある程度理解できたら、古文の上達は、とても速いのです。
逆に、この「現代語と古語の根本的な違い」がわかっていないまま、知識ばかりを増やして行くと、いざ大学入試レベルの問題を解くときに、ゴンゴンと壁にぶつかってしまいます。すると文章がスムーズに読めない、意味もとれないということに、なってしまいがちなのです。
この「基礎の基礎」をしっかり理解して、楽しく実りある古文の勉強を、して行きましょう。動詞の終止形に限らず、文法でも読解でも、質問がある方は、どしどしお寄せ下さい。