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高校生の現代文テスト対策 芥川龍之介『羅生門』②模範解答
高校1年生のみなさん、『羅生門』の授業は、すすんでいますか?中間テスト前に一部入って、メインは期末になる学校も、あるかも知れませんね。
いずれにせよ、中間テストはほとんどの学校で5月中に行なわれます。第1回「読解シート」の「模範解答」が、この回の内容です。
今までに自分で読みとったことを記入された方は、照らし合わせてみて下さい。そしてご質問などありましたら、メールでお気軽にご連絡下さい。この「模範解答」は、あくまで小田原漂情による「解釈」のひとつですから、いろいろなとらえ方があり得ます。お寄せいただいたご質問には、丁寧にお答え致します。
①「下人」が羅生門に現れた時、彼はどのような境遇だったか。
主人に暇を出され(仕事をクビになり)、無一文で、行くあても生活のすべも持っていなかった。
②「下人」の外見上、彼の乱れた心の象徴のように置かれている特徴は何か。
右のほおにある、うみを持った大きなにきび。
③羅生門は、その時どんな状況だったか。
荒れ果てて、狐狸が棲み、盗人が棲み、引き取り手のない死人が棄てられていた。
④「下人」は自分の置かれた状況に対して、どのような結論を持ったのか。
「盗人になるよりほかにしかたがない」
⑤④で答えた結論を、彼は実行しようと思っていたか。
思っていない。積極的に肯定するだけの勇気が持てずにいた。
⑥「老婆」は、羅生門の上で何をしていたのか。
死体の髪を抜きとっていた(抜きとってかつらにして売り、食物を買う代金を作ろうとしていた)。
⑦⑥で答えた内容についての「老婆」の言い分を要約せよ。
死体の髪を抜くことはわるいことかも知れないが、それをしなければ自分が飢え死にするのだからしかたがない。(現に、今髪を抜いていた女は、生きている間に蛇の肉を干し魚と偽って売っていた。それも飢え死にしないための手立てだったのだから、自分もこの女も同類だ)。
⑧「老婆」に対する「下人」の感情の移り変わりとして、次の要素を正しく並べよ。
満足感 好奇・恐怖 侮蔑 加害意識 怒り(正義感)
◇好奇・恐怖 → 怒り(正義感) → 満足感 → 侮蔑 → 加害意識
⑨「老婆」は「下人」に、ある変化を促す契機として登場している。「変化」の内容を簡潔
に説明せよ。今までの回答の内容と言葉を用いてよろしい。
「盗人になる」ための「勇気」を持ち、実行すること。
⑩「黒洞々たる闇があるばかりである」とは、何を暗示しているのか。
自分自身が迷って踏み出さずにいた「悪」の道に踏み込んでしまった「下人」の、暗く先行きのない「未来」。
◇ご質問のメールは、こちらからどうぞ。
hyojo@kotogaku.co.jp